2023年12月26日(火)~1月2日(火)(前半) 北見若松スキー場、ぬかびら源泉郷スキー場、和寒東スキー場、ぴっぷスキー場(北海道)
2024年1月2日(火)~1月8日(月)(後半) 八方台スキー場(北海道)
年末年始の強化合宿(12月25日~1月2日)では、ASチームのトレーニングに参加し、和田選手の課題克服に向けてマンツーマンで指導を行いました。合宿前半では、主にヒールサイドターンとフロントサイドターンの技術向上に取り組みました。
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和田選手のヒールサイドターンでは、上体がボード進行方向に正対するべきところで逆ひねりをしてしまい、ボードの角付けが弱く、エッジングが甘くなるという課題がありました。これに対して、谷回り局面でのエッジング時には、足元から順に角付け、荷重、回旋を行い、上体をボードの進行方向にロックし、両膝をターン内側に捻る動作を指導しました。これにより、ボードの角付けが強くなり、エッジングがしっかりとできるようになりました。
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また、フロントサイドターンにおいては、ボードのテールをずらすことでタイムロスを招くブレーキ操作が課題でした。これに対して、後ろ足でボードを押すのではなく、スクワットの動作を意識してボードを立てることを指導しました。その結果、滑走フォームが大幅に改善され、切れのあるターンが可能となりました。
これらの技術向上は、北海道の練習環境が大きな要因でした。年末年始の本州のスキー場は混雑しており、リフト待ちや他のスキーヤーとの衝突のリスクが高いため、練習の質が下がりがちです。しかし、北海道ではのびのびと練習できる環境が整っており、和田選手の課題克服に大きく寄与しました。
合宿後半では、SLゲートトレーニングやGSゲートトレーニングを中心に行い、インターバルやゲート間隔を変えながら技術の向上を図りました。本州の暖冬少雪の影響で、ゲートトレーニングが難しい中、八方台スキー場では連日安定したトレーニングが可能で、選手たちが十分に滑り込むことができました。しかし、長期のトレーニングスケジュールの影響で、体調を崩す選手も見られました。今後は、環境の変化や長期スケジュールに対応できるよう、各選手が自己管理を徹底し、常にベストパフォーマンスを発揮できるよう指導していきたいと考えています。
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シーズン初期のこの合宿で選手たちの滑走技術が向上し、3月のデフリンピックに向けた準備が整いつつあります。今後は、ゲートトレーニングの回数を増やし、さらに競技力の向上を目指していきます。
本事業は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの競技力向上事業助成金を受けて実施しました。