2024年 2月3日(土) ~ 2月18日(日) 菅平高原スノーリゾート(長野県)

2月3日~4日

デフリンピック内々定選手を対象にゲートトレーニングを中心に実施し、各選手の競技力向上を図りました。トレーニングは、GSゲートトレーニング、フリーラン、SLゲートトレーニングが含まれました。雪質が安定し、いつもの菅平のバーン状況が戻ってきたため、コースが荒れることなく、質の高い練習が行えました。

岡選手については、ヒールサイドからトゥサイドへの切り替え時に上半身でローテーションする癖が見られたため、ローテーションを止めて脚部からの切り替えを指導しました。ローテーションは改善されたものの、切り替えのタイミングが不安定で失敗することがありました。足元での切り替え意識が重要であるため、引き続き指導が必要です。

和田選手については、ヒールサイドでの2度踏みのもたつきを解消するため、フリーランでのトレーニングを行いました。深回しやノーズからテールエッジまで使う練習、雪面に肘をつける感覚、ヒールからトゥへのクロスオーバーを意識させた結果、ターンの終わりのタイミングが掴めるようになり、2度踏みがなくなり切り替えもスムーズになりました。このまま様子を見ていきたいと思います。デフリンピックまで残り1か月となったため、新たな技術習得よりも既存の悪い癖を直すことに注力しています。

2月10日~12日

先週に引き続きデフリンピック内々定選手を対象にゲートトレーニングを行い、悪い癖の修正やライン取りのアドバイスを行いました。トレーニングは、SLゲートトレーニング、フリーラン、GSゲートトレーニング、フィジカルトレーニングが含まれました。デフリンピック前の国内合宿ということで、選手たちには主に技術的な修正やライン取りの指導を行いました。

和田選手については、トゥサイドで頭から入る癖を直し、ヒールサイドの谷回りを意識させました。その結果、ベストタイムは加賀谷奏来選手のタイムに約0.5秒差まで迫り、好調な様子が見られました。

岡選手については、ヒールサイドで手を振り出してターンに入る癖を直し、腹圧を使ってブロックすることを意識させましたが、苦手な柔らかく荒れた雪面に手こずっていました。後傾になることを恐れてボードコントロールが難しくなり、自己評価が低くなりがちです。自信をつけるための支援が必要です。大会コースや類似コースでの練習を通じて、デフリンピック本番に向けた準備を進めています。

2月17日~18日

菅平高原スキー場の白金コースでゲートトレーニングを行いました。白金コースは中急斜面で、様々な斜度や雪質に慣れるための練習に適していました。

岡選手はまだアルペン2年目で、斜度変化にターンが遅れることが多く、完走率はゲート10本中2本と低めでした。斜度や雪質の変化に苦しみながらも、技術的なアドバイスを受けて再トライする姿勢が見られました。メンタル面では消極的な発言がありましたが、デフリンピックに向けて取り組む姿勢はしっかりしていると感じました。課題としては、ゲートに入れないとあきらめる癖があり、メンタル的なアプローチが必要です。また、硬い雪での滑走時に後ろ足の横脛の痛みが見られ、ブーツやビンディングの調整、足の筋肉ケアが課題となっています。

和田選手については、15歳で難しいコースをクリアしており、その実力を示しています。完走率は10本中8本で、80%のクリア率を持っています。ただし、白金コースでのゲート練習では、ゲートの幅が広いため横移動の時間が長くなり、身体がふらつく傾向が見られました。フィジカル面でのポジション安定や、コース状況の把握能力の向上が必要です。コース状況のアドバイスを受けた際には、コースのどの場所かを把握できるようになることが望まれます。

本事業は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの競技力向上事業助成金を受けて実施しました。