2024年 1月12日(金) ~ 1月28日(日) 菅平高原スノーリゾート(長野県)

1月12日~14日

デフリンピック内々定選手を対象に強化合宿を実施しました。急斜面でのパワー軸を活用したトゥサイドターンや、斜度変化のあるバーンでの滑らかな連続ターンをテーマにトレーニングを行いました。

岡選手は、ゲート練習ではバックサイドでの内倒する癖が見られ、ライン取りがやや甘いという課題がありました。フリーラン練習では、斜度のあるバーンで直滑降しながらノーズを下に向けたまま左右にずらすイメージを指導し、その結果、ノーズを下に維持したまま重みのあるカービングが可能となりました。しかし、大雪で柔らかい雪質という苦手な条件下での練習において、転倒が続き「心が折れた」として練習を中断してしまいました。それでもゲートランのパフォーマンスはまずまずであり、今後はよりタイトなライン取りを身につけることが求められます。

1月20日~21日

雪上でシーズン初めの足慣らしやマテリアルの確認、ポジションの調整などを行い、エッジのチューニングに慣れることを目的にしました。菅平での練習は、安定した雪質の中でカービング技術の向上に役立つ良い環境で行われました。1日目のGS種目の練習では、インターバルが狭いゲートセットに選手たちは苦戦し、ターン切り替え時にボードの前側エッジを効果的に使うことが課題となりました。タイム計測も行い、健聴者の一般女子選手との比較も行いました。

岡選手は、GS練習中に溝バンクに引っ掛かり転倒が多く、さらに腹痛があったため、途中から休憩を挟みながらの練習となりました。滑走中の上半身に力が入っていない様子が見られたため、怪我を予防するためにも滑走本数を調整しました。午後から発熱が見られたため、練習を中断し、2日目もオフとなりました。

和田選手は、15歳という若さにもかかわらず、斜面に対して恐れず滑ることができ、大きな舞台での活躍が期待されます。体形的に上半身が重いためフォームが崩れやすいという技術的な課題があり、フィジカル面でのサポートが必要です。引き続き、津賀トレーナーと連携してフィジカルサポートを行っていきます。

1月27日~28日

デフリンピック内々定選手を対象にゲートトレーニングを中心に実施し、新人選手にはカービング技術の向上を目指しました。ビデオミーティングでは、当日の動画やワールドカップの映像を視聴し、技術向上に役立てました。

岡選手と和田選手については、菅平高原の安定した天候と雪質で良いトレーニングができました。和田選手と伊藤選手の成長が著しい一方で、岡選手は伸び悩みが見られ、気分にムラがあるようです。年長者としての岡選手の気分が若手選手に影響を与えることがあるため、デフリンピックまでのモチベーション維持が課題となります。

岡選手、和田選手については、3月のデフリンピックに向け、ゲートトレーニングの回数を増やし、競技力向上に努めていきます。岡選手には新たな刺激としてセパレートプレートを試し、和田選手には引き続き滑らかな切り替えのカービングを身に付けさせる計画です。リーンとリーンアウトの練習を行い、軸の傾きを大きくする技術を磨いていきます。

伊藤選手については、ヒールからトーに入る際にテールを動かしてしまう癖がまだ改善されていませんが、荷重抜重の動きが身についており、ターンの質は向上しています。スノーボードの経験日数を考慮すると、十分な成長が見られると言えます。

本事業は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの競技力向上事業助成金を受けて実施しました。