2023年12月1日(金)~12月21日(木) 菅平高原スノーリゾート、湯ノ丸スキー場(長野県)、スノーパークイエティ(静岡県)

12月1日~3日

本格的な雪上トレーニングが始まりましたが、日本ではまだ雪が少ないため、長野県の菅平や湯ノ丸エリアの人工雪スキー場での練習が行われました。斜度や雪質に違いがあるため、スキー場の関係者と連携し、雪上状況を確認しながら滑走場所を選定しました。特に週末はビジター客が多く、滑走時のタイミングを計りながら練習を進めました。

和田選手は比較的安定したターンを見せましたが、荒れた雪面ではバランスを崩す場面も見られました。エッジのグリップが向上し、硬い雪面での滑りやすさが増したため、雪上でのバックサイドのフォームも安定しました。スカイテックでのトレーニング成果が現れ、バックサイドのエッジングが過剰にならないよう注意を促し、膝を伸ばしきらない滑走を心がけるよう指導しました。

岡選手はバックサイドに課題を抱えていましたが、新しいブーツを試す過程で、ビンディングの位置やブーツの前傾角度の調整が中心となりました。菅平での1日目では、ブーツテストを行うための条件が整わず、2日目に改めて調整を行いました。スカイテックでのデータ確認を通じて、ブーツによる滑走感覚の違いを認識し、セッティングを細かく調整しました。

12月9日~10日

今回のトレーニングでは、引き続きフリー滑走を行いながら、フォームとポジションの確認を行いました。和田選手は、ターン中の左右差を修正し、バックサイドのエッジングが強くなりすぎないように指導しました。また、フロントサイドのターン前半で股関節に乗り込むことを意識させることで、ターンが深くなり、回転力が向上しました。

岡選手は、ブーツ調整後のスタンス幅を変更し、滑走を行いましたが、ビンディングの角度が変わってしまったため、練習終盤に修正を行い、バックサイドのフォーム改善が見られました。特に、フロントサイドのターン前半で前足の股関節に乗り込むことで、ターンの回転力が増し、安定感が向上しました。

12月16日~17日

この期間中、和田選手と岡選手には、それぞれの課題に応じたトレーニングが行われました。和田選手には、ターン前半からピークにかけての圧を強くすることや、目線を遠く保つことを指導しました。また、岡選手には、ヒールサイドとトーサイドでの切り替えリズムを揃えることや、斜面に垂直な体軸を意識するよう指導しました。ターンのリズムを自分でコントロールできるようになり、コース前半の急斜面や荒れた箇所でも適応力が向上しました。

和田選手は、ターン時の体の逆捻りを改善する必要があり、岡選手は良い滑りを維持しつつ、ゲートトレーニングに臨む準備ができています。12月21日には、ブーツ変更による角付けのタイミング遅れが見られましたが、トレーニングを通じて改善が見られました。今後は、無意識でもボードを立てられるよう練習を重ね、ゲート内でのライン取りも研究する予定です。

12月21日

ブーツを変えたことで角付けのタイミングが遅れていた選手に対し、谷まわりから意識的にボードを立てる練習を行いました。具体的には、平地でのボードの立て方、サイドスリップ時のボードの立て方、斜滑降でのボードの立て方を実施し、ターン中にボードを立てることを意識させました。

角付けのタイミングが遅れた結果、山踏みが発生していましたが、意識的にボードを立てる練習を重ねたことで、ターンピークで荷重がしっかりとできるようになりました。トレーニング後半には、苦手だったコース最後の落ち込みでもボードを横に向けることなくスムーズに降りられるようになりました。

今後は無意識のうちにボードを立てられるよう練習を続けるとともに、ゲート内でも同様に滑れるようにライン取りを研究していくことが求められます。

本事業は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの競技力向上事業助成金を受けて実施しました。